園だより1月号 巻頭言
<主 題>
 5・4・3歳児”かさねる” 2歳児”いっしょにね”
<聖 句>
    「受けるよりは与える方が幸いである。」
               (使徒言行録20章35節)

写真:明けましておめでとうございます。
  「明けましておめでとうございます」と言う挨拶で一年が始められることを感謝します。

 新しい年、2025年を迎えました。それぞれが新しい一年を歩み出しました。これから与えられる新しい出会いと交わりの中で、心豊かに歩める年となることを心より願います。子どもたちは、どんな年末・年始を過ごして来たのでしょうか。ゆっくりと心と体を休めて栄養補給をして、今の時を迎えている事でしょう。今から迎える三学期は、とても短く“あっ”と言う間に過ぎていきます。それぞれの学年での終わりの時を迎え、次に進み行く一歩を踏み出す準備の時となります。その大切な一日一日を充実した日々とするために、家族でゆっくり過ごす時間は、とても大切な充電期間だったのです。私たち家族は、毎年年末に一泊だけですが、各地に散らばっている家族が集まる日を大切にしています。名古屋・大津・神戸と住む場所が異なっており、なかなかみんなが揃う機会ないので、ゆっくりと互いの顔を見、語り合うことで、それぞれが生きる力、元気が与えられて、新たに歩み出せる時としています。いつまで続くかは分かりませんが、今のところ、それに異議を唱える者がいないので行い続けています。家族の繋がりはとても大切だと私は思っています。

 キリスト教(カトリック)のシスターでノーベル平和賞を受賞したマザー・テレサは、私が今牧師・園長として歩む大切な礎として、若い時から多くの影響を受けてきた存在です。インドの貧困で苦しむカルカッタに行き、そこで様々な困難な状況にある人々と共に生き続けた方です。貧しい地域に生きる人の命との出会いと関わりの中で、自らを神と人に捧げて歩まれました。私には、到底同じことは出来ません。しかし、そこで伝えられている大切なことは、自らが与えられている現場で、活かせることがあると信じています。マザー・テレサは、家族・家庭のことをとても大切にしていることを語っています。

  “愛はまず家庭から始まるのです。愛は家庭の中に住まうのです。”と記して、“家庭を慈しみの場、限りなくゆるし合う場をとしなければなりません。今日では、だれもかれも非常に多忙になっています。より大きな発展、もっと豊かな富、もっともっと、と求めて。子どもたちは両親と過ごす時間がなく、両親はお互いのためにさく時間もありません。世界の平和の崩壊は、このようにして家庭から始まるのです。”と記し、“お互いに心から深く愛し合っている人たちは、世界で一番の幸せ者です。私たちが接するとても貧しい人たちを見ているとそれが分かります。子どもを愛し、家庭を愛しています。持っているものは少なく、場合によって無一物ですが、幸せな人たちです。”と記しています。その他にも幾つかの大切な言葉を語っておられますので紹介します。

  ・あなたは愛されて生まれてきた大切な人。
  ・わたしたちは、愛し合うために生まれてきたのです。
  ・そのとき目の前にいる人が、私にとってすべてです。
  ・大きなことをする必要はありません。小さなことに、大きな愛を込めればいいのです。

 新しい一年が愛溢れる日々でありますことを、心より祈ります。
 
 2024年は、能登半島での大きな地震から始まった一年となり、悲しい現実の中で新年を多くの人が過ごすことになりました。それに加えて能登では豪雨災害も起こり、更なる困難を強いられる歩みとなってしまいました。その歩みの中で、互いに助け合い、励まし合いつつ今の時を迎えておられます。今私たちが与えられている一年の歩みも、何時・如何なることが起こるか分からない中での歩みです。しかし、そんな中で命が与えられているならば、必ず次に繋がります。しかし、その命を支えるには、人と人との関わりが必要不可欠なことです。そのことは、30年前私たちの住む神戸で起こった阪神・淡路大震災でも経験してきたことです。それは、1995年 1月17日の早朝に起こった大きな地震でした。多くの人の命と生活が奪われました。どうすることも出来ない惨状が広がり、多くの人が生きる力を失い途方に暮れました。そんな中で、近隣での助け合い、家族・親戚での助け合い、様々な関わりによる助け合い等で日々の営みをなし、その後全国からの多くの助けと支えが与えられ、困難を強いられる多くの人々が、少しずつではありますが生きる力と希望を見出し歩み出すことが出来、今の神戸の姿となりました。私たちの命を生かすのは愛です。

 1月に与えられている聖句“受けるよりは与える方が幸いである。”も愛を示す一つの形です。子どもたちと共にこの聖句を大切に味わいつつ、1年の始まりを歩み出したいと願っています。マザー・テレサは語ります。“昨日は過ぎ去りました。明日はまだ来ていません。私たちにあるのは今日だけです。さあ、今始めましょう。
< 園 長 >  
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