園だより12月号 巻頭言
<主 題>
 5・4・3歳児”共に、喜ぶ” 2歳児”わくわくするね”
<聖 句>
    「さあ、ベツレヘムへ行こう。」
               (ルカによる福音書 2章15節)

写真:収穫感謝礼拝で持ち寄られた野菜や果物
  2024年の最後の月を迎えました。2024年は、みんなが新しい年を迎えて喜び、祝っていた中、能登半島で大きな地震が起こったことから始まりました。正月の家族団欒の一時に大きな苦しみ、悲しみ、痛みを伴う出来事が生じ、地を暗闇が覆いました。それに加え 9月の奥能登豪雨により、同じ地域で大きな災害が起こり、再び多くの人が今までの日常を奪われてしまいました。近年、思わぬ自然災害で多くの人の命や生活が失われています。それに加えて、様々な病気や人と人との争いや事件、事故で多くの命が奪われています。私たちの生かされている世界は、明日の命の保証がないような状況になってきています。それ故に、せっかく与えられた大切な命を、人が自分の都合で奪っていくことはあってはならないことです。私は今年、大切な人や身近な人との別れを何度か経験しました。それは、全て突然の訃報でした。私の驚きや悲しみ以上に、亡くなった人の身近な人の悲しみは深く、辛いものであることを思います。どうすることもできない深い悲しみや嘆きが、いつの日か新たな一歩を踏み出せる時が来ることを心より祈ります。生きたいと願っていても、生きることのできない多くの命があるのです。だからこそ、人と人とが互いを思いやり、助け合い、支え合いつつ歩むことの大切さを痛感しています。今、私たちの身の周りで起こっている様々な争いや事件やハラスメントやいじめや虐待等、人間のエゴ(自己中心)によって生じている、人と人とが傷つけ合い、奪い合う出来事が終わりを迎える日がくることを心より願います。

 今、“めぐみ”では、神様が与えてくださったうれしい秋の実りを感じながら、子どもたちは日々の歩みをしています。収穫感謝礼拝では、子どもたちは各家庭より多くの実りを持ち寄り、神様と作ってくれた人と持たせてくれた人に感謝する時が与えられました。礼拝において、子どもたちは前に並べられている持ち寄られた収穫物を通して、一人ひとりの命を保ち、成長する源である多くの食べ物が日々与えられていることを知り、沢山の物をいつも与えられていることに心を寄せて感謝しました。持ち寄りのご協力ありがとうございました。子どもたちは、これから迎えるクリスマスにおいて、その感謝の思いを神様に、身近な人に、自分たちの与えられているものを用いて現していこうとしています。その日が、全ての人の喜びの時となることを心より祈ります。

 クリスマスの出来事は、世の営みの中で喜ぶことのできない状況に置かれていた人に、大きな喜びを告げるものでした。世の権力や宗教や規則や常識や価値観の中で苦しめられて来た人々への喜びの出来事として、神様の大切な独り子なる救い主イエスは、飼い葉桶の中に寝かされた乳飲み子として与えられました。神の子が、暗闇の中で家畜小屋で誕生しました。あり得ないことです。しかし、それが全ての人への神の愛の現れでした。神様は、誰でもが集える場所で、最も小さな存在として、イエスを世に遣わされました。その命を保ち、支えるには、両親の深い愛が不可欠だったことでしょう。愛なき世界は、命を奪います。愛ある世界は、命を守ります。今、私たちはどちらの世界を生きているのでしょう。家畜小屋での暗く、寂しく、悲しい誕生ではありますが、その命にこそ、神の愛が溢れているのです。誰もが嫌がるような場所で、小さな赤ちゃんとして飼い葉桶に寝かされたイエスの所に、世で見向きもされていない羊飼いと、宗教的に排除されていた異国の博士たちが招かれました。その招きへの喜びが今、全世界にクリスマスとして伝えられています。全ての人に喜び、救いが与えられ、地に平和が訪れる出来事として、イエスは誕生しました。それを心より喜び、受け入れる人によって、神の愛が地に満ちて、全ての人への救いと平和な世界が来るのです。 今、世に与えられている小さな命は、愛され、大切にされているでしょうか。自分では生きていくことの出来ない命の営みは守られているのでしょうか。家族の愛と人の愛に包まれて、喜びの日々を送ることが出来ているのでしょうか。私たち大人は、子どもの営みを自己中心(大人中心)に考え、支配してはいないでしょうか。世に与えられた大切な命は、それぞれ異なる豊かさがあり、役割を持ち、愛し合い、助け合い、補い合い、支え合う存在なのです。その大切なものを大人が奪い、子どもの思いや意志を顧みず、大人の都合で思う通り支配しているのです。今、子どもを取り巻く環境は、子育て支援と言われ大切にされていますが、すべて子どもの思いは無視され、親中心の支援でしかありません。その弊害が子どもの世界を今、支配し始めています。クリスマスを前に、神の愛が満ちて子どもが笑顔で過ごせる世界が訪れることを心より願います。
< 園 長 >  
年長組
東舞子小学校へお邪魔して一年生と交流のひととき。色々な”秋のおまつりやさん”を開いてくれました。
   
年中組 幼稚園で一番最初にクリスマスを迎える年中組。お祝いの準備に励みます。
年少組 礼拝堂でアドベント第二の礼拝を守りました。クランツのろうそくに2つ火が灯りクリスマスの出来事をまたひとつ知りました。
もも組
著作・製作 学校法人星陵学園 星陵台めぐみ幼稚園
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