園だより2月号 巻頭言
<主 題>わかちあう
<聖 句>
 「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」
             (ローマの信徒への手紙12章15節)






写真:3年ぶりに年長組のにじいろおにがやってきた!!
   2024年に入り、もうひと月が過ぎ、2023年度の締めくくりとなる三学期も残すところあと僅かとなりました。大切な日々を過ごしてきた集大成として、今各学年・クラスで生活発表会の取り組みをし、一年を終えようとしています。特に年長組は、一年間、二年間、三年間と過ごした“めぐみ”での歩みもあと少しとなりました。あと何日幼稚園に来れるのでしょう。一日一日を大切に過ごさないと“あっ”と言う間に、卒園の日を迎えてしまいます。子どもたちは、幼稚園の歩みの中で様々な事を経験してきました。多くの場面で、神様と多くの人に支えられ、“今"の時を迎えています。これからの歩みの中もどんなことがあるかは分かりませんが、様々な場面で喜びと感謝に満たされた時を過ごし、2023年度の歩みを終えられることを心より願っています。“今”が迎えられていることを心より感謝いたします。

 私たちは、“今”いつもと変わらない歩みをすることが出来ています。それは決して当たり前のことではありません。何時、何が起こるかは誰にも分かりません。だからこそ、与えられている“今”、再び戻ることのない時を大切に過ごすことが大事です。そのことを2024年1月1日に起こった能登半島地震で痛感させられました。その一瞬の出来事で多くの人の命が奪われ、多くの人が愛する人、生活に必要な衣・食・住等を奪われました。今、苦しみ、悲しみ、痛みの中にいる人々が希望を持ち、平穏な日々を与えられる日が来ることを心より願います。この出来事は、29年前(1995年1月17日)に私たちの住む神戸で起こった阪神・淡路大震災を思い出させるものでもありました。あの日、あの時、神戸の街は、どうすることも出来ない目の前の現実の中で、悲嘆に暮れました。しかし、そんな中でも生かされた命、歩み続けて行かなくてはいけない人々が、必死に助け合い、支え合いながら歩みを進め、その歩みに心を寄せ支える様々な人たちの力を借り、共に歩み続けることで、希望を持つことができました。私は、その大切な出来事を幼稚園でも伝え続けてきました。その一つが、卒園を前にした生活発表会で、年長組が毎年歌う“はじめの一歩”という歌です。この歌は、1995年 1月17日の早朝の大きな地震による阪神淡路大震災で、大切な多くのもの(者・物)を失い、悲しみや苦しみの中で過ごしていた子どもたちに、さらにはその歌を聞いた周りの人達に希望や元気や生きる力を与えてくれるものとなったのです。避難場所となった西宮の体育館で、子どもたちが希望を失わないように、みんなを励ますかのように、この歌が貼られていました。子どもたちがこの歌を歌うことで、闇に閉ざされていた多くの人の心に希望の明かりを灯してくれました。ご存じの方もおられるとは思いますが、その歌詞を紹介します。

     はじめの一歩      作詞 新沢としひこ 作曲 中川ひろたか

  1.小さな鳥がうたっているよ ぼくらに朝がおとずれたよと
    きのうとちがう朝日がのぼる 川のながれもかがやいている
    はじめの一歩 あしたに一歩 きょうから なにもかもがあたらしい
    はじめの一歩 あしたに一歩 勇気をもって 大きく 一歩 歩きだせ
  2.信じることを忘れちゃいけない かならず朝はおとずれるから
    ぼくらの夢をなくしちゃいけない きっといつかはかなうはずだよ
    はじめの一歩 あしたに一歩 きょうから なにもかもがあたらしい
    はじめの一歩 あしたに一歩 生まれかわって 大きく 一歩 歩きだせ

 多くの人の貴い命が奪われたあの日・あの時、大きな悲しみ、痛み、苦しみの中で、命ある者が、自分のことだけでなく、周りの人の事を考えて、助け合い、励まし合い、支え合い、補い合う歩みがありました。今、能登半島地震や様々な自然災害や戦火の中で、苦しみ、悲しみの中で過ごしている人がいます。そのことに心を寄せて歩むことが、心の育みには必要です。

 子どもたちと過ごす2月の聖句“喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。”は、そのことを教えてくれます。新たな一歩を踏み出そうとしている年長組の子どもたちが、この歌を通して、様々な場面で絶望する事なく、希望を持ち、生きる力を育み歩んでくれることを心より祈ります。年少組、年中組の子どもたちも、“今”の時を大切にしつつ、共に過ごしてきた仲間とのを生活を大事に、それぞれが大きくなっていくことを願っています。 
< 園 長 >  
年長組 登園した子どもたちは、壁に現れた大きなにじいろおにを、見上げてビックリ!
鬼の顔まで届け”おには〜そと!ふくは〜うち!”。
 年中組 最初に自分たちが作った鬼を退治して、年長さんのにじいろおにに向かって”おには〜そと!”。
 年少組 年少さんは自分たちで作った鬼のお面を付けて、小さな鬼さんが登場。年長作のにじいろおにをめがけて”おには〜そと!!”。
   
もも組  もも組は大きなで、”おには〜そと!”
著作・製作 学校法人星陵学園 星陵台めぐみ幼稚園
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