園だより1月号 巻頭言
<主 題>やってみたい
<聖 句>
 「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。」
                (ヨハネによる福音書15章5節)

 
あけましておめでとうございます。

 新しい年、2024年を迎えました。今、この時が与えられていることに心より感謝します。このことは、決して当たり前のことではなく、とても大切なことなのです。新しく与えられた時、日々を大事にして歩みたいと思います。今、この時は戻ってはきません。2023年を振り返ってもそのことを実感します。子どもたちの日々の成長にとっても過ぎ去った2023年に様々なことがありつつも命が守られて今があります。私たちは、色々な出来事を通して、自らの在り方が問われます。昨年は、ここ数年悩まされてきたコロナウイルスとの関わり方が変わり、やっと一息と思いつつも、その反面、インフルエンザやアデノウイルスや溶連菌感染症等の感染症が大流行しました。人の思うように物事はうまく動かないことを実感します。

 新年を迎えた1月1日、みんなが新年を迎えて喜び祝っている時に、能登半島地震と言われる震度7の大きな地震が起こりました。石川県を中心に起こった地震の影響は、北陸地方各地におよび、多くの人が大きな悲しみ、苦しみに襲われました。地震だけでなく、東日本大震災の時の様に津波も生じました。家屋は倒壊し、道路や山は崩れ、海岸付近では津波により多くの物が流されました。一瞬の出来事で愛する者を失い、悲しみ・嘆きの中にある人々、家屋の倒壊、道路の寸断、ライフラインの断絶等により、住む場所・食べる物・飲む物・着る物・暖を取る手段等に苦慮している多くの人々がいます。阪神淡路大震災から29年を迎えようとしている中、再び大きな地震が起こり、多くの人の命と生活が奪われました。今なお、揺れは続き、多くの人が恐怖の中で毎日を過ごしています。深い悲しみ・苦しみ・痛みの中いる人に希望の光が与えられることを心より祈ります。

 阪神淡路大震災から29年、東日本大震災から13年、その間にも様々な自然災害が起こり続けています。今回の能登半島地震は、阪神淡路大震災も東日本大震災も知らない子どもたちにとっては、大きな衝撃だったことでしょう。この出来事は、他人事ではなく、私たちにとって大切な出来事です。“めぐみ”では、毎年阪神淡路大震災追悼礼拝を行っています。あの日・あの時、私たちの住む神戸の街に何が起こり、どうなったのか。その長い暗闇の中に、どのように希望の光が与えられ、今の神戸になったのかを忘れ去ってはいけない出来事として、毎年語り継ぎ、その時失われた大切な命に心を寄せ祈ってきました。阪神淡路大震災は、過去の出来事ではなく、現在に繋がる大切な出来事なのです。今生かされている者として、その命をどのように用いるのかが大切です。あの日・あの時、多くの人が、嘆きの街神戸に思いを寄せて、全国各地でそれぞれの出来ることを行うことで、愛の輪が広がり、互いを思いやり、助け合い、励まし合い、補い合いながら、神戸の街は困難な歩みの中で、笑顔を取り戻して歩み出すことが出来ました。この出来事は、その後生じた様々な自然災害でも生かされています。人は、互いに愛し合い、助け合うことに命の輝きを見い出すことができます。

 与えられている命について大切なことを教えてくれる言葉を星野富弘さんが『たった一度の人生だから』という本で記していましたので紹介します。

 ・自分のためだけに生きようとしたときは、本当の意味で自分の命を生かしているのではない。
 ・命というのは、自分だけのものではなくて、誰かのために使えてこそ本当の命ではないか。

 1月の聖句は、“わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。”とのイエスが語られた言葉となっています。命の源である神に繋がり、イエスに繋がっていることで、私たちは豊かな実を結ぶことが出来ます。その繋がりの中で私たちは“愛”を知らされます。私に神様から与えられている大事な命を、日々の歩みで出会う様々な人や事柄に心を寄せて、大切に豊かに用いて歩める一年となることを願っています。
< 園 長 >  
新年の園内の様子です。
著作・製作 学校法人星陵学園 星陵台めぐみ幼稚園
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