＜主 題＞つながって
＜聖 句＞
「羊は一人の羊飼いに導かれ、一つの群れになる。」
（ヨハネによる福音書10章１６節）
写真：土のう袋で育てているサツマイモ、今月収穫です。
季節の移り変わりを感じることのできる涼しい朝夕を迎えるようになりました。朝や夕に空を見上げてみると、秋の空を思わせるうろこ雲やすじ雲やひつじ雲を見つけることができます。何気ないことですが、私たちの周りでは確実に季節が変わり始めているのです。その感じ方は、人それぞれだとは思います。
今、幼稚園玄関に様々な生き物が集まっているので、夏休み明けに、ある人の提案を受けて、その玄関先が“生き物広場”と命名され、おひさま広場、絵本の広場、緑の広場に続き、“めぐみ”に四つ目の“広場”が誕生しました。この広場には、カメ太郎、メダカ、鈴虫、カブトムシ(幼虫)、冬に色づくのを待っているポインセチア(植物)が命の育みをしています。それに加えて鑑賞用として大きなスズメバチの巣も置いてあります。その中でも一番の存在感を見せているのが、たくさんの水槽の中にいるメダカの親子です。このメダカは、最初３０匹程を頂いたのですが、なかなか卵も産まず、産んでもなかなか育たず増える事もなく、ある日４匹まで減りました。水槽も大きい物から一番小さな物に移し替え、その際に水草が汚れていたので、きれいにするために他の入れ物に移し替えて取っておきました。すると、何と知らぬ間にその水草から、メダカの赤ちゃんが続々と誕生して、増え始めたのです。それ以来、もう四代目の赤ちゃんが育ち、水槽も置く場所のないぐらいの数になりました。これ以上“めぐみ”では収容不可能となり始めたので、この機会を大切にして“めぐみファミリー”に声をかけて育ててもらうことにしました。それに応えて、メダカをもらってくれる家庭が有りうれしく思っています。それぞれの場所に行ったメダカたちが、“めぐみファミリー”の愛情を受けて、新しい環境の中ですくすくと育ってくれることを祈っています。ちなみに、“めぐみ”ではまだまだ新たな命が産まれ続けています。生き物を育てるには、愛情が必要です。野菜や植物を育てるのも小まめな配慮が必要です。私たちは、神様によって命あるもの(物・者)に囲まれて、豊かな日々を過ごさせていただいています。その環境を大切に過ごしていきたいものです。
“めぐみ”には、当たり前ですが、日々大切な子どもたちが集ってきています。その歩みにおいて様々なことが起こります。ある日、部屋になかなか入らない年長組の子どもと絵本の広場で出会いました。簡単には、部屋に戻らない子なので、少し一緒にいて話をしていると、その子が私の持っている本に興味を示しました。その機会を活かして、私は「園長もおじいさんになってるけど、勉強が必要なんだ」と言うと、「聖書のお話し？」とその子が聞いてきました。私は「そう、日曜日に教会でお話しするには勉強しないと話が出来ないから、今から読むんだ」と言うと、「へえ〜」とその子が関心を示したので、「おじいさんになっても園長は勉強しないといけないんだから、あなたも年長組の部屋に行って大事なことしようか。今する大切な色んな事しないと大変だよ。じゃ、部屋に行こう。」と言うと素直に部屋へ帰って行きました。子どもと向き合う、寄り添うことで、私は幸せな気持ちになります。一人ひとりの子どもに与えられている個性の豊かさと素晴らしさを知る時に、大きな可能性を感じます。私たち大人の思うような子どもとして育てるのではなく、子どもの個性が活かされる成長が与えられて行くことを願っています。
私は、泣いている子を見るとすぐに相手をしたくなります。泣き声を聞くとそこに行き、その子どもとちょっとした時間を過ごし、泣くのに付き合うのが好きなんです。お母さんやお父さんには、到底かないませんが、私なりに子どもたちの心に寄り添いたいと思っています。特に今年度は、満３歳児を受け入れて新たな歩みとなり、ももぐみ(満３歳児)の部屋に行くことが多くなっています。４月当初は年少組に行くことが多かったのですが…。これが私の元気の
源の様な気がしています。“めぐみ”には、本当に個性豊かな子がいっぱいいて、楽しいです。子どもたちのささやきや言葉の中でも楽しませてもらえるし、色んな優しさにも出会うことが出来ますし、頑張る姿にも励まされます。個々の集まりとして、一つの群れが、喜びに満たされた場となることを心より願っています。神様によって、一人ひとりの子どもが豊かな養いを受け、心も体も成長する秋となることを祈ります。
