園だより12月号 巻頭言
<主 題>喜びあふれて
<聖 句>
 「さあ ベツレヘムに行こう。」
             (ルカによる福音書2章15節)
写真:今年も収穫感謝礼拝に多くの果物・野菜が集まりました。

 子どもたちは、秋のたくさんの恵みを受け取りながら、喜びと感謝の日々を過ごしてきました。子どもたちの心と体を満たす、神様から与えられた恵みの数々を子どもたちと共に味わいつつ、今の時を迎えています。その一つとして収穫感謝礼拝の時が与えられました。その際には、子どもたちを通して各家庭・各所より貴重な食べ物が寄せられたことを嬉しく思い、心より感謝しています。その一つの出来事の中で、年長組がクッキングでカレー作りをしたり、様々な食べ物を知る時、見る時、食する時が与えられ、良き食育の機会が与えられました。また、みんなで与えられたものを分かち合い、味わうことが出来ました。ご協力ありがとうございました。大切なその豊かさの中で子どもたちは、いよいよ、神様からの最大のプレゼントであるイエス様の誕生を喜び祝う日を迎えようとしています。クリスマスの出来事が、すべての人の喜びとなることを心より願っています。

 クリスマスは、喜べない状況の中にある人々が、神様の愛に満たされて、温かく優しい穏やかな出来事として与えられ、喜びに満たされた日です。今、わたしたちの周りでは、戦争や感染症等の病気や災害や貧しさ等の中で、クリスマスの喜びとは程遠い生活を強いられている人がいます。特にロシアのウクライナ侵攻による争いにおいては、多くの人が命の危機に脅かされ、安らいで過ごせる場所を奪われています。誰も争いなどしたくないのに、国の指導者の命令で多くの人の命や財産や住む家等が奪われてしまっているのです。これは、イエスが家畜小屋で誕生した時の社会情勢と同じです。イエスの両親は、ローマ皇帝の命令で住民登録の為に、出産を間近にしながらも生まれ故郷までの長い旅に出掛けなくてはいけなくなったのです。それは、出産を控えた若い夫婦にとっては、苛酷な旅を強いられることとなりました。権力者の身勝手な支配欲により、弱く小さい者がさらに虐げられる状況が生じたのです。マリアとヨセフの旅は、お腹の大きな若い夫婦を見ても、誰も泊めてくれないという現実を露にすることになりました。結局、泊まる場所がなく、家畜小屋で夜を過ごした時にイエスの誕生は起りました。そして、生まれた赤ちゃんを寝かせる所もなく、仕方なく動物の餌箱である飼い葉桶に寝かせることになりました。固く汚れている飼い葉桶ですので、柔らかい藁を敷き詰め、生まれたばかりの赤ちゃんをきれいな布に包んで寝かせたのです。若い夫婦にとって、その場、その時に生まれたばかりの赤ちゃんにできる最大の配慮でした。そんな、悲壮感も漂うような赤ちゃんの誕生ではありましたが、わざわざその場所を尋ねて喜び祝いに来てくれた人々がいました。暗く、寒く、淋しく、臭い家畜小屋は、明るく、温かく、賑やかで、香油漂う場所となったのです。

 さて、そこにお祝いに来た人とは誰でしょう。それは、救い主の誕生とは無縁と思われていた人々でした。宗教的に、民族的に排除されてきた羊飼いと異国の学者たちでした。それぞれが神に選ばれ、知らされ、喜び勇んで、大切な捧げ物を携えて救い主イエスの誕生を祝しに来たのです。誰にも知られず、誰にも認められなかった救い主の誕生を心から受け入れ、喜ぶ人々によって、クリスマスの出来事は祝われました。実は、クリスマスの後にも権力者たちは、自らの欲のために恐ろしいことを起こしたのです。ベツレヘムでの新しい王なるイエスの誕生を知ったユダヤ王ヘロデは、イエスの命を狙い、ベツレヘムにいる2歳以下の男の子のすべての命を奪うという大虐殺の命令を出して実行しました。喜ぶべき誕生が悲しい出来事を生じさせてしまったのです。クリスマスの出来事は、神の思いを受け止められる人と受け止められない人で、それぞれの行動が異なることとなったのです。今から迎えようとする私たちのクリスマス、神の思いを受け止め、みんなで喜び祝うことが出来る日となることを心より願います。クリスマスを迎える度、神の愛が世に満ちて、憎み争う世ではなく、愛に満ちた平和な世となり、欲望渦巻くクリスマスではなく、喜び分かち合えるクリスマスがいつの日か迎えられるようになることを祈り続けます。
< 園 長 >  
年長組 収穫感謝礼拝後の”めぐみ”恒例の年長組クッキング。
洗う・皮をむく・切る行程を手分けして行いました。
出来上がったカレーを年少・年中・先生達にも食べてもらい、カレー作り大成功!!
年中組 年中組、合奏やプレゼント作り、クリスマスの準備に励みます。
年少組 年少組商店街大にぎわい、楽しいお店屋さんごっこです。
クリスマスの準備も始まりました。
著作・製作 学校法人星陵学園 星陵台めぐみ幼稚園
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