園だより11月号 巻頭言
<主 題>分かち合う
<聖 句>
 「わたしの隣人とはだれですか。」
             (ルカによる福音書10章29節)
写真:今年もサツマイモが沢山収穫出来ました。

 朝夕に寒さを感じる日々となり、すっかり季節が移り変わったことを実感します。今、周りの木々の葉の色は移り変わり、様々なところで多くの秋の実りが与えられています。子どもたちもその時の流れの中で、多くの経験を重ねて今を迎えています。二学期に入り、子どもたちは、運動会や芋掘りや秋のめぐみ祭り、更には各学年の遠足と、神の豊かな恵みを感じる時を過ごしてきました。その一つ一つの取り組みの中で、子どもたちは、心も体も成長する機会が与えられ続けました。嬉しいこと、悲しいこと、楽しいこと、苦しいこと等を繰り返しつつも、“めぐみ”で出会ったかけがえのない仲間と、神により繋がっていることを知り、今の時を迎えています。一人では味わうことのできない世界を“めぐみ”で共に過ごす仲間と経験してきました。神の与えてくださる世界は、わたしたちの思いをはるかに越えています。人は、一人では不可能なことを繋がり合う人々によって可能とされ、命の豊かな営みを成すことができます。これから迎えようとしている収穫感謝礼拝やクリスマスでは、そのことを子どもたちが実体験することとなるのです。

 私は、2010年のクリスマスに神と繋がり、人と繋がることの大切さを知らされました。そして、神により出会った人々によって、助けられ、支えられ、命が繋がることの出来た経験をしました。それは、私自身のことではなく、娘のことでです。我が家には車椅子生活をしている娘がいます。ご覧になった方もあるかもしれませんが、実はその娘の記事が神戸新聞(10/18)に“支えられて「保育園の先生」に”という題で掲載されました。そのことで、私も当時を思い起こす時が与えられたので、記させていただきます。それは、ある日突然の出来事により、生じたことでした。娘は、就職も内定し、短大の卒業と成人式を控えた2010年12月20日(月)朝、駅に向かう途中でバイクの転倒事故により、首の骨折と脊髄損傷という瀕死の重症状況となりました。病院に運ばれましたが、意識もなく、いつどうなってもおかしくない状態でした。そんな彼女の命を保ち、命を繋ぐために、多くの人が助け、支え、励まし、祈り、力を与えてくれました。私たち家族も危機的状況の中で、多くの人との繋がりの中で命の営みを保つことが出来ました。何度もの大きな手術を繰り返し、言葉を発する事が出来るまで何カ月もかかり、繋がれた管が全て取れるまで、どれほどの月日を費やしたことでしょう。しかし、命の営みは守られ続けました。彼女は、命あることに感謝し、自らのハンデを受け入れ、希望を抱きつつ、3つの病院で過ごし、リハビリに励み社会復帰のために自立生活訓練センターに移り、その後、復学、就職となりました。その時すでに事故から約5年半の年月が過ぎていました。その間に与えられた人との繋がりの豊かさは、何にも変えられません。車椅子生活をする娘のことを考え、復学のために、就職のために、短大や保育園は、今後のことも配慮して環境整備をしてくださいました。私たち家族にとって、神の愛と人の温かさを感じることの出来る機会となりました。起こってしまった出来事は、変えることは出来ません。そこからが新たな歩みの始まりです。そこで何を思い、何を感じるかがとても大切です。幸いにして、私たち家族は、娘が危機的状況にあっても命があることに感謝し、これからの歩み全てを受け入れていく覚悟で日々を過ごしました。そのことで、娘の周りで生じる様々な出来事を通して、出会い・交わり・繋がりの豊かさを実感し、感謝する日々が与えられました。いつの間にか苦しみ・悲しみ・痛み・涙が、喜び・楽しみ・感謝・笑顔に変えられました。神は、私たちの思いや願いを越えた世界を与えてくださいました。人の痛みに寄り添う人々によって、命の営みが与えられたのです。一つの出来事により、様々なことが動き出します。我が家でも妹は、姉の姿を通してリハビリを行う理学療法士となり、大きな支えとなりました。この経験は、今月の聖句と繋がります。

 子どもたちと共に過ごす11月の聖句は、「わたしの隣人とはだれですか。」です。神に与えられている“隣人”とは、目の前に存在する様々なことで困難を覚えており、助けを必要としている人のことです。その人に対して、当たり前のこととして、自分の成せる事を行っていくことの大切さを伝える聖句なのです。
< 園 長 >  
年長組 年長組、秋の遠足は須磨旗振山に登りました。
年中組 年中組、秋の遠足は垂水健康公園に行きました。どんぐりをひろったり、広場でかけっこ。お弁当の後は、来年登る旗振山に向かって”やっほ〜!”
年少組 年少組の秋の遠足も、垂水健康公園へ行きました。きれいなドングリが手作りカバンにあふれます。。
 
著作・製作 学校法人星陵学園 星陵台めぐみ幼稚園
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