園だより2月号 巻頭言
<主 題>わかちあって
<聖 句>
 「その家に入ったら、『平和があるように』と挨拶しなさい。」
         (マタイによる福音書10章12節)


写真:蝋梅は冬によい香りのする花を咲かせます.。園児のご家庭より頂きました


 2022年に入り、もうひと月が過ぎ、2021年度のそれぞれの学年の締めくくりとなる三学期も残すところあと僅かとなってしまいました。幼稚園の今までの歩みの中で、様々なことがありましたが、何とか神と多くの人に支えられ、今の時を迎えられていることを感謝します。これからの歩みの中もどんなことがあるかは分かりませんが、様々な場面で喜びと感謝に満たされた時を過ごし、2021年度の歩みを終えられることを心より願っています。

 今、与えられている大切な日々が、新型コロナウイルスの感染拡大により、大きな影響を受けています。しかし、今の現状を迎えることは、予想されてきたことです。今一番大きな影響を及ぼしているのは、子どもたちへの感染拡大です。子どもは、重症化しないといいつつも、感染すれば、その影響は家族に及びます。そして、そのことが社会に大きな影響力を持ち、様々な所で人手不足となり、社会生活に困難が生じています。子どもの事をなおざりにしてきた社会への子どもの逆襲とも言えるように思います。子どもがもたらす存在の大きさをどれぐらい、世の人々は分かっているのでしょうか。

 昨年の2月の園だよりでも記したことなのですが、今、新型コロナウイルスの影響で閉塞的な悲壮感の中で、様々な困難を負わざるを得ない状況にある人々に是非伝えたいことがありますので、再度記させていただきます。それは、毎年、年長組が卒園を前に生活発表会で歌ってきた“はじめの一歩”という歌です。この歌は、27年前、1995年 1月17日の早朝の大地を揺れ動かした大きな地震による阪神淡路大震災で、大切な多くのもの(者・物)を失い、悲しみや苦しみの中で過ごしていた子どもたちに、さらにはその歌を聞いた周りの人達に希望や元気や生きる力を与えてくれました。避難場所となった体育館では、子どもたちが希望を失わないように、みんなを励ますかのように、この歌が貼られていました。子どもたちがこの歌を歌うことで、闇に閉ざされていた多くの人の心に希望の明かりを灯してくれました。
ご存じの方もおられるとは思いますが、その歌詞を紹介します。

  はじめの一歩 作詞 新沢としひこ 作曲 中川ひろたか
   1.小さな鳥がうたっているよ ぼくらに朝がおとずれたよと
     きのうとちがう朝日がのぼる 川のながれもかがやいている
     はじめの一歩 あしたに一歩 きょうから なにもかもがあたらしい
     はじめの一歩 あしたに一歩 勇気をもって 大きく 一歩 歩きだせ
   2.信じることを忘れちゃいけない かならず朝はおとずれるから
     ぼくらの夢をなくしちゃいけない きっといつかはかなうはずだよ
     はじめの一歩 あしたに一歩 きょうから なにもかもがあたらしい
     はじめの一歩 あしたに一歩 生まれかわって 大きく 一歩 歩きだせ

 多くの人の貴い命が奪われたあの日・あの時、大きな悲しみ、痛み、苦しみの中で、命ある者が、自分のことだけでなく、周りの人の事を考えて、助け合い、励まし合い、支え合い、
補い合う歩みがありました。それは、被災地に限られたことではなく、そこに思いを寄せる多くの人たちの存在もありました。今、コロナ禍の中で、それぞれが、様々な痛みを持っています。そのことに心を寄せて、自らの行動をしていくことが大切です。何を優先するのか。
われ先にと、様々な場面で、場所で人の列が出来ていることが気になります。私自身、子どもたちの生活において、子どもたちと共に生き、もっと人に優しくなり、本当に必要なことに心を向けられる存在でありたいと思います。2月の聖句は、イエスが弟子たちに伝えた言葉です。イエスが不安や恐れの中にある人々の心に安らぎが与えられることを願い、“『平和があるように』と挨拶しなさい。”と語られているのです、私たちにも。
< 園 長 >  
年長組 年長さんは、゛鬼は外!福は内!゛と、クラス毎に作った3体の鬼めがけて力いっぱい豆をまきました。
年中組 年中さんは、自分たちで作った鬼のお面をつけて、大きな年長作の鬼に向かって豆まき。豆拾いも楽しいなぁ。
年少組 年少さんも自分たちで作った鬼のお面を付けて、小さな鬼さんが登場。大きな年長作の鬼をめがけて「おにはそと!!」。
著作・製作 学校法人星陵学園 星陵台めぐみ幼稚園
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