園だより12月号 巻頭言
<主 題>喜びいっぱい
<聖 句>
 「おめでとう、恵まれた方。」
         (ルカによる福音書 1章28節)
写真:今年も沢山の野菜や果物が集まりました。

 日々の生活の中で、自然の営みを通して季節の移り変わりを感じることが出来る幸いを感謝します。暑い日もあれば、寒い日もあります。それぞれが、気温や気候に応じてより良い過ごし方をすることが大切です。今は、急激な寒さが到来し、いよいよ冬本番を迎えることを思わされています。この寒さの中で私たちは、神の子イエスの誕生を祝うクリスマスを迎えようとしています。“めぐみ”では、子どもたちと共に今の寒さをしっかりと感じながら、2000年以上前の寒い暗い闇夜に、馬小屋の飼い葉桶に寝かされた赤ちゃんに心を向けて過ごしたいと思います。私たちの生きる今でも、クリスマス当時と同じ様な状況は続いており、温かい泊まる所がなく、寒く冷たい場所で過ごす人がいるのです。私たちがあり余る物の中で過ごしている今、日本でも世界でも、災害・争い・搾取等により食べる物、着る物、教育等生きるために必要な様々な物を欠いている子どもたちがいます。だからこそ、私たちはクリスマスの出来事を、子どもたちと共に大切に受け止め、“地に平和”が来ることを祈り続けるのです。“地に平和”とは世に生きる人が、どの人も安心して生きられる世界です。クリスマスは、私たちだけが、ただ喜び祝うというのでなく、地に優しさと愛と希望の光の輝く時なのです。

 クリスマスを迎える12月の聖句は、「おめでとう、恵まれた方。」という天使ガブリエルがマリアに告げた言葉です。この聖句には続きがあり、「主があなたと共におられます。」という言葉が続きます。ただ、「おめでとう」と告げるだけでなく、神がいつも一緒にいてくださることが知らされました。この挨拶を聞いたマリアは戸惑うばかりです。そんなマリアに天使は、「あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。」と告げたのです。マリアは、何ら身に覚えのない事を言われ、不安や恐れがさらに増しました。マリアは天使に、「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」とその言葉を否定しました。しかし、天使は「神に出来ないことは何一つない。」と告げたのです。その言葉を受けてマリアは、「お言葉どおり、この身に成りますように。」と応じました。この出来事からすべてが始まりました。神の選びは、私たちには分かりません。ただ、与えられたことを喜び、素直に受け入れることで新たな一歩へと向かうのです。マリアは、この後出産を前にしながらも、ローマ皇帝の命令でヨセフの生まれ故郷へと旅立つことになりました。マリアとヨセフは、共に旅をしつつ出産を前に沢山の不安があったことでしょう。マリアたちは、いつ子どもが生まれるか分からない身重でありながら、旅を続ける中、日が暮れ、暗さと寒さの中で宿を探しました。しかし、どこの宿屋もいっぱいで誰も泊めてくれず、マリアたちの泊まる場所はありませんでした。そのため与えられた場所は、雨風がやっと避けられるような家畜小屋でした。牛や馬や羊やロバや豚等の住む場所です。それら家畜の家を間借りして一晩過ごすこととなりました。どんな思いがしたことでしょう。様々なことが考えられますが、出産を前にした彼女たちにとっては、やっと一晩休む場所が与えられただけでもありがたかったのです。その日、その時、その場所で、神の大切なひとり子イエスは誕生したのです。そして、寝かされた場所は、家畜たちが餌を食べるための飼い葉桶でした。イエスが寒くないように、その場所でその時できることとして、暖かいワラを敷き、綺麗な布に包んで寝かせたのです。親の愛情が感じられます。かけがえのない命の誕生は、どこのどんな場所で生まれたとしても、嬉しい喜びに満ちた時なのです。その場の暗さや寒さを打ち破る誕生の出来事だったに違いありません。私たちに与えられている一人ひとりの命の誕生もそうなのです。命が与えられたことの大切な意味、そのことを忘れてしまうことで、嬉しさや喜びよりも苦しみが次々にやってくるのです。

 イエスの誕生を喜んで一番に駆けつけてきたのは、羊飼いたちでした。彼らも天使の言葉を信じて、その場へと向かい、喜びを分かち合うことが出来ました。彼らに与えられた救い主の誕生の出来事は、「あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」と伝えられたのです。彼らの生活の場に、神が救い主を与えてくださったのです。神は、様々な世における苦しみ、悲しみ、
痛みを負いつつも、神を信じ歩む者に救いを告げてくれたのです。その言葉を信じて歩み出した羊飼いたちは、神の言葉通りの出来事に出会い、喜びに満たされてそれぞれの生活の場へと帰って行ったのです。
 さて、コロナ禍の中で今年迎える私たちのクリスマスは、どんな喜びを運んでくれるのでしょうか。“神に栄光、地に平和”があるようにと心より祈ります。
 
< 園 長 >  
年長組 年長組のクッキング、洗う、皮をむく、切る、等をおこないました。
とても美味しいカレーが出来上がりました。
空っぽになったお鍋の片づけもしました。

年中組 年中組、年長さんが作ってくれたカレーを美味しくいただきました。
クリスマス祝会の取り組みを進めつつ、元気に外で遊んでいます。
   
年少組 年少組も、年長さんが作ってくれたカレーを美味しくいただきました。
収穫感謝礼拝に寄せられたかぼちゃと大根の葉っぱも美味しくいただきました。
クリスマス祝会の取り組みも始めました。
著作・製作 学校法人星陵学園 星陵台めぐみ幼稚園
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