園だより11月号 巻頭言
<主 題>深める
<聖 句>
 「わたしの恵みはあなたに十分である。」
         (コリントの信徒への手紙二 12章9節)
写真:今年も沢山のサツマイモが収穫出来ました。

 いつの間にか季節は移り変わり、朝晩寒さを感じるようになってきました。私たちは今、様々な実りが与えられる秋を迎えて、心も体も満たされる日々が与えられています。“めぐみ”では、神戸市の道路拡張工事の影響で例年とは異なるサツマイモの収穫の時を迎えました。今までは、園庭の隅にいも畑を作り、多くの収穫を得ていました。しかし、今年は、その場所での収穫は出来ないと言うことで、土のう袋でのサツマイモの栽培のみとし、いつもよりも多い目に土のう袋を用意して苗を植えました。いつもより収穫が少ないと考え、年少組は園舎裏の花壇(畑)を少し広げて有効利用し、例年植えるよりも多い目のサツマイモの苗を植え付けました。色んな工夫をしつつ、今年の秋を迎えています。“めぐみ”では芋掘りには出掛けません。植えるだけで人任せになる芋の収穫はしません。自分たちで植えた僅かな芋の成長を見ながら、その収穫を喜び、分かち合い頂くのです。年長組と年中組は、土のう袋を開いて、土の中の様子を見ながら、土の中という見えないところでも育ててくださっていた神に感謝し、収穫の喜びに出合いました。沢山あることは嬉しいことではありますが、僅かであっても与えられることは感謝なのです。そんな心を、あり余る物の中で過ごしてきている子どもたちには持ってほしいと願っています。今、園庭は狭くなりましたが、今までが広かったというだけであり、与えられている園庭も上手に使えば、十分の広さとなります。私たちは、気づかないうちに色々な意味で贅沢になり、なかなか満足感が得られなくなっています。与えられているものの大切さを知る時、その豊かさに気づき、不平不満ではなく、感謝となります。キリスト教保育は、無い物ねだりをするのではなく、目の前の様々なもの(者・物)で満たされ、感謝することを大切としています。

 “めぐみ”は10月、多くの喜びに満たされて過ごすことが出来ました。コロナ禍ではありましたが、お客さんを招いての運動会を行うことが出来ました。また、その後、小さな集いの運動会も“めぐみ”ファミリーとして園児も参加し、楽しむことが出来ました。更に、めぐみの会主催の“秋のめぐみまつり”(ミニ版)も行われ、賑やかな一日を過ごしました。それに加えて、年長組の山登り遠足、年中組の遠足も天候に恵まれ、事故や怪我なく、無事に行くことが出来、喜びと感謝の日々を過ごしました。どれ一つとっても、私たちに思うように全てが行えることではありません。様々な条件、色んな状況が整えられて行えたことばかりです。出来て当たり前のように思っている人が居るかも知れませんが、すべて行えたことは、凄いことなのです。そのことに気づいているでしょうか。私たちは、それぞれの取り組みの当日を迎えるまで、どうなるか分からないことが沢山あったので、自分たちの出来ることとして準備の段階から、幾つもパターンや方法ややり方を熟慮し、検討し続けました。そして、その時の状況で最善のことが出来るように備えたのです。私たちに出来るのは、そこまでです。それ以上のことはどうすることもできません。与えられた状況、環境を受け入れ、それに応じて行ったのです。その結果、本当に満たされたひと月となりました。それを行うには、子どもたちの背後で支えてくださっているご家族の理解と協力なしには出来ませんでした。不平・不満ではなく、行える事に心を寄せてくださり、ありがとうございました。全てを整えてくださった神と、私たちと共に歩んでくださる方々に心から感謝です。

 11月の聖句は“わたしの恵みはあなたに十分である。”という言葉であり、今を過ごす私たちに大事で大切な言葉です。何事においても、私たちに神が与えてくださっていることは、恵み豊かなものであり、十分なものです。それを受け止められない時、喜びを悲しみに、感謝を怒りに変えてしまいます。私は、自らに与えられた今までの歩みを、様々な意味で感謝して過ごしています。当然、苦しいこと・悲しいこと・嫌なこと・失敗や辛いこと等も沢山ありました。しかし、命が与えられていることで、様々な出会いと助けにより、必ず次に繋がる機会が与えられているということを経験してきました。そのことを感謝しています。

 子育てで大切なことも同じです。目の前に与えられている命、かけがえのない存在である子どもをありのまま受け入れ、愛することが何よりも大切です。他者と比較する事なく、他者に左右される事なく、その子の持つ世界でたった一つ個性や賜物を恵みとして受け入れ感謝し、共に歩むことで子どもの未来は拓きます。神が与えてくださった他とは異なる大切な貴重な存在を感謝し、愛することで豊かな世界が広がります。親の思うように子どもは育ちませんし、育てられません。それぞれに与えられている世界があるのです。
 
< 園 長 >  
年長組 年長組、山登り遠足は皆で頑張って旗振山、山頂まで行きました。
年中組 年中組の遠足は、学が丘南公園へ歩いて行きました。
どんぐりを拾い、遠足後はそれを使って”どんぐりすごろく”等で楽しみました。
年少組 年少組さんお部屋では、遠足に持っていくカバンを作りました。
外遊びや制作などを楽しんでいます。
   
著作・製作 学校法人星陵学園 星陵台めぐみ幼稚園
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