＜主 題＞心かよわせて
＜聖 句＞
「わたしがあなたがたを愛したように、
あなたがたも互いに愛し合いなさい。」
（ヨハネによる福音書１３章３４節）
写真：さつまいも畑は、葉が繁りはじめています。
今年の夏は、今まで以上に子どもたちの命を守ることの大切さ、大変さを感じながら歩んでいます。子どもたちの命は、いつも危険にさらされ続けています。いつもの生活でも怪我や病気や事故や事件や災害等に気をつけて過ごさねばなりませんが、それに加えて今は、増え続けている新型コロナウイルスの感染から、猛暑の中でのマスク生活による熱中症から、激しさを増している突然の大雨や様々な自然災害から命を守っていかなくてはなりません。私たちに与えられている小さな子どもたちの命を守ることを大切にしつつ、今を共に歩めることに感謝し、私たちと出会い交わる全ての人の命が守られることを心より祈っています。
絵本『かみさまからのおくりもの』を描かれたひぐちみちこさんが『子どもの翼を信じて〜巣立ちの日のために大切なこと〜』という本を書かれています。この本は、「どの子も自分の翼で自由に空を飛ぶことを望み、どの子にもその権利があるはずです。それなのになぜ、いま、子どもたちは、当たり前に巣立っていくことが難しいのでしょう。せっかく巣立とうとしている子どもたちを、私たち親は、引きとめてはいないでしょうか。」と問いかけています。第６章“限りある子どもとの時間を大切に”の中に、“親の三つの仕事”が記されており、ひとつは「命を守ること」、二つ目は「子どもの発達段階を大切にすること」、三つ目は「子どもからの愛に気づくこと」と示されていました。そして、“巣立ちは、三つの仕事を子どもみずからが引き受けようとすること”とも記し、親の三つの仕事の一つ目は子どもが自分自身の命を守ること、二つ目は今しかできないこと、今だからできることをするということ、三つ目は今までの人生でたくさんの人に支えられ、愛されることよって、ここまでこられたのだと気づくということと自分も人を愛せるようになることによって引き受けようとするのだと示されています。そして、親のしてきた三つの仕事を我が身に引き受けようとする、巣立ちの兆しが見えたときは、親は「きっと大丈夫だよ」というエールを子どもに送りながら、ポンと背中を押してやることが必要であると記しています。巣立ちは、決して別れではなく、巣には「疲れたら帰っていらっしゃい」という役目もあるのです。私たちは、三つの親の仕事をしっかりと行い、子どもたちに引き受けさせられるでしょうか。子どもたちは、いつもすぐ側にいる大人の行動を見、言動を聞き、育ちます。子どもたちが、自分の翼で飛び立てるように、環境を整えていく大人の責任を感じます。
幼稚園では環境を整える一つとして、秋から行われる神戸市の道路工事に備えて、夏休みにしか出来ない大きな工事が行われ、園庭が様変わりしました。遊具移設するに際して、新しい遊具の設置と木製遊具のリフレッシュを行い、ホール横の通路を整備しました。それと同時に秋から使えなくなる東門の変わりの門を取り付けました。さらに、バスの置き場が狭くなるので、ピロティーを少し削りバスが入るようにしました。様々な所が変わりましたが、どれも使い方をきちんとしないと怪我や事故を誘発してしまいます。命を守るために細心の注意を払い、新たな歩みをしていきたいと思っています。そのために皆様にもお願いすることも出てきますので、ご理解ください。また、子どもたちが命と出会う大切なこととして、休み中に新しい仲間のメダカがやってきました。小さな小さな仲間が玄関の二つの水槽の中で泳いでいます。飼うとなるとその命の責任を負わなくてはなりません。それに加えて夏休み前に沢山いたカブトムシが、ひと夏を過ごして居なくなり、そこから新しい命が多く与えられ、今は幼虫として育ち始めています。それぞれの命が大切にされ、大きくなる姿を子どもたちと見守り、しっかりと世話をしていきたいと思います。
今年の夏も各地で大雨による大きな災害が起こりました。人間の自然破壊により変えられてしまった自然が、猛威を奮っています。いつどこで何が起こってもおかしくない現実があります。そんな中、垂水区でも気象庁から大雨警報、神戸市災害警戒本部より避難情報の警戒レベル３(高齢者等避難)が何度となく発令されました。高齢者等の中には、乳幼児も含まれています。私たちの住む地域の中で、周辺に危険が迫り、どこで何が起こるかわからない状況となり、最優先して命を守ることを考えることの大切さを痛感させられました。
子どもたちがいつも笑顔で、ありのまますくすくと成長していける世の中であることを心より願います。そして、子どもたちが周りの愛に包まれて、自分の翼を広げて自由に大空を飛ぶ日を祈っています。
