園だより6月号 巻頭言
<主 題>やってみたい
<聖 句>
 「野原の花がどのように育つかを考えてみなさい。」
         (ルカによる福音書12章27節)
写真:朝顔の芽が出かけています。

 今年は、いつもよりも早い梅雨入りとなりました。雨の多い日々となりますが、その季節を味わい子どもたちと心豊かに歩みたいと願っています。“めぐみ”では、毎年6月第2月曜日に“子どもの日・花の日礼拝”を守ります。この礼拝は、周辺にある花々を見ることで、神が大切な命を与えて、守り育ててくださっている姿を知り、それ以上に、人は神から愛され、大切に養い育てられていることに心を向けて感謝し、希望と喜びと力を受けて歩み出す大切な時です。6月の聖句は“野原の花がどのように育つかを考えてみなさい。”となっていますが、その言葉には続きがあり“働きもせず紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも、着飾っていなかった。今日は野にあって、明日は炉に投げ込まれる草でさえ、神は子のように装ってくださる。まして、あなたがたはなおさらのことである。”とのイエスが語られた言葉が記されています。今、梅雨の雨を受けて、野原の花が元気に咲き誇っています。特に野草と言われる花は、誰かが植えたわけでもないのに、至るところで色とりどりのきれいな花を咲かせています。残念ながら、幼稚園でもそうですが野草は、栄え広がるのですぐに抜かれてしまい、捨てられます。でも、そんな野草でさえ、神様から与えられた豊かな命を精一杯輝かしている姿を見ることができます。それ以上の存在として世を生かされている私たちは、さらに輝く命が与えられているのです。

 先週のホワイトボードでも紹介されていましたが、年中組の礼拝で私は“たいせつなこと"(マーガレット・ワイズ・ブラウン作、レナード・ワイスガード絵、内田也哉子訳)という絵本を読みました。そこには、私が子どもたちに伝えたいメッセージがあったので、ゆっくりと、じっくりと読ませてもらいました。 “グラスにとってたいせつなのは むこうがわがすけてみえること ”から始まり、コオロギ・スプーン・ひなぎく・あめ・くさ・ゆき・りんご・かぜ・そら・くつのそれぞれに大切なのは何かを知らせており、最後に私たちに(子どもたちに)語りかけています。

  “あなたはあな  あかちゃんだったあなたは からだとこころをふくらませ ちい
  さないちにんまえになりました そしてさらに あらゆることをあじわって おおき
  な おとこのひとやおんなのひとになるでしょう でもあなたにとって たいせつなのは
  あ な た が あ な た で あ る こ と
  と記されています。この深い意味が分かるでしょうか。

 先月の園だよりで紹介した“子どもが育つ魔法の言葉”でも同様の事が記されています。
   子どもは一人ひとり違います。どうかそれを忘れないでください。
  そばについていなければならない子、ひとりでやれる子。
  注意が必要な子、そうでない子。
  指示されないとやれない子、そうでない子。
  一人ひとりが、ふたりといない特別な存在なのです。

 子どもたちは、大切な命を受け、多くの可能性を秘め、様々な違いを与えられて世を生かされています。大人がそのことに気づくことが大切です。大人が勝手に子どもの将来を決め、奪ってはいけないのです。子どもの豊かに喜びに満ちて生きる機会を、人生を、大人の都合で台なしにしないように気をつけないといけないのです。子どもの生きる力を信じ、伸びゆく力を信じ、互いを認め合う優しさと愛に満ちた世界を信じて、ありのままの個性を活かした歩みがなされていくことを心より願っています。
  “つまづいたっていいじゃないか 人間だもの ”という有名な言葉を記した書家で詩人の相田みつをさんも似たような言葉を記しているので、それもご紹介します。
    《みんなほんもの》
  トマトがねえ トマトのままでいれば ほんものなんだよ トマトをメロンに みせようと
  するから にせものになるんだよ みんなそれぞれに ほんものなのに 骨を 折って
  にせものに なりたがる
    《子供へ一首》
  どのような 道を どのように 歩くとも いのちいっぱい に生きればいいぞ

 こんな言葉が語れる大人でありたいと心から思います。今の世は、子どもが生きにくい大人中心の世界です。能力主義、競争社会、生産性や合理的なものが求められ、時間をかけてのんびり、ゆっくり、じっくりと子どもを育てることが難しくなっています。大人中心の世界は、大人の都合ですべて動きます。少子化なのに、保育施設が乱立してもなお、待機児童がなくならない世の中に、子どもの叫び声が聞こえます。
< 園 長 >  
年長組 年長組、春の遠足は年中、年少組さんに見送られて徒歩で舞子緑地公園へ。広場ではいっぱい走ったり、長縄を使って遊びました。
年中組 年中組は保育室で飼育していたさなぎがちょうちょに・・・みんなで見送りました。
先日植えたサツマイモが元気に育ってるかの観察しました。
こんな小さなボールに二人で座った次は椅子取りゲームならぬボール取りゲーム
年少組 年少組さんは、砂場で山作り。どんどん大きくなって行きました。
鬼ごっこ、リズム遊びでいっぱい身体を動かしました。
著作・製作 学校法人星陵学園 星陵台めぐみ幼稚園
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