園だより2月号 巻頭言
<主 題>響き合う
<聖 句>
「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」
        (ローマの信徒への手紙12章15節)

写真:ちゅうりっぷの球根を植えました、4月入園の頃に咲くのが楽しみです。

 2019年を迎えて、もう1カ月が過ぎました。時の流れの速さを感じます。今年度も残すところ後2カ月となりました。きっと“あっ”と言う間に卒園式・3学期終業式が来てしまうでしょう。それまでに子どもたちと沢山関わり、豊かな日々を過ごしたいと願っています。子どもたちは、それぞれが成長しています。その速度や在り様は各々違います。当然のことです。そのことを周囲がきちんと理解していることで、多様な価値観に振り回され、困難を強いられる子どもたちの救いとなります。子どもたちがこの世に命を受けたのは、それぞれに役割があり、大切な存在だからです。その命の輝きを大事に歩み続けて欲しいと祈ります。

 “めぐみ”では、子どもたちの成長を神様に感謝し、喜び合う時として2月に各学年での生活発表会を計画しています。入園・編入当初から、あるいは今年度4月からを思い起こしてください。3年間・2年間・1年間等を過ごしてきた子どもたちが、“めぐみ”でどのように、どんな風に大きくなってきたのかを…。個と個が出会い共に過ごすことで、様々な刺激を受けて、他との関わり方、個の在り方を学びます。一人では、限られた狭い世界でしかなく、なかなか豊かさにはつながりません。その豊かさは、様々な違いや異なりがあることによって生み出されていきます。わたしたちの与えられている世界は、とても知り尽くせないほど大きなものです。日本という一つの国だけでも、環境や生活(経済)や言葉(方言)等が異なりますから、世界の他の国との間ではもっと大きな異なりがあります。その異なりを理解し合い、異なりや違いを越えることで平和な世界が与えられます。ところが互いを理解せず、分かろうともしないで、それぞれが自分本位の歩みをしていれば、争いや内紛・戦争となってしまいます。自分に他を合わせようとすることで、抑圧や排除が生じます。わたしたちが、それぞれの状況の中で安らぎを得て歩めるのは、互いが分かり合い、他と共に生きる豊かさを知るからです。“めぐみ”では、子どもたちの世界で安らぎが与えられるように歩んでいます。満3歳児のもも組を含めて、年少組・年中組・年長組がそれぞれの学年のことを考えながら、さらにはそれぞれのクラス、それぞれの仲間のことを考えながら、思い合いながら過ごすことを大切にしています。互いの違いを知ることで、何をすべきか、何をしたら良いか、何をしてはいけないかに気づいていきます。そんな中で過ごすからこそ、安心が与えられてきます。みんなそれぞれ得意・不得意、出来る・出来ないはあります。だからこそ、他の人の痛みが分かります。そして、助け合いが生まれます。大きい人・小さい人、体の重い人・軽い人、力のある人・ない人、足の速い人・遅い人、色んなことが上手な人・下手な人、色々です。すべてに完璧な人などいません。それぞれが大なり小なりの欠けや弱さがあるから、人は優しくなれるのです。何事も人と人との出会いと交わりで学びます。当然、良い出会いも悪い出会いもあります。その一つ一つの出会いの中をより良いものにできるかどうかも人が育つ大切な要素となります。子どもたちには、人としての歩み(社会)の始まりを“めぐみ”で沢山経験してほしいと思います。“めぐみ”は遊びを中心とした生活の中で多くのことを経験して学びます。遊びの中で頭を使い、体を使い、心を使います。そして、それが将来の生きる力、意欲につながります。先月の園だよりでも記しましたが、「三つ子の魂百まで」ということは、とても大切なことです。時の流れの速さの中で、過ぎ去った時は、巻き戻せません。だからこそ、子どもたちの“今”が大切です。大きくなってから出来ることを今する必要はありません。今しか出来ないことを一生懸命するのです。子どもだからこそ出来ることに“めぐみ”は心を向けながら歩み続けたいと願っています。

 “めぐみ”の1月は、どの学年もお正月遊びを楽しんできました。凧揚げ・カルタ・こま回し等を一生懸命にしてきました。子どもたちは、遊びでありつつもより良く向上するために日々努力し続けています。この機会を逃してしまっては、取り戻すのは難しくなります。そんな仲間と遊ぶ中で2月の聖句「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」の大切さも知らされるのです。与えられた2018年度の残された日々を、子どもたちと共により良く過ごせるようにと心より祈ります。
< 園 長 >  
年長組 年長さんは、寒さに負けず凧あげ・サッカー・相撲と身体をいっぱい動かして楽しんでいます。

年中組 年中さん、凧あげ・はねつき等で身体を動かしています。
節分に向けて鬼さんも作っています。

年少組 年少さんも、外では凧あげ・相撲等、部屋ではステップあそび・リズムあそび等で身体をいっぱい動かしています。

著作・製作 学校法人星陵学園 星陵台めぐみ幼稚園
無断複写・転用・転記はできません。