＜主 題＞喜び合う
＜聖 句＞
「学者たちはその星を見て喜びにあふれた｡」
（マタイによる福音書２章１０節）
写真：今年も収穫感謝礼拝に色々な種類の野菜が集まりました。
わたしたちは“今”、神様から与えられた豊かな実りの中で、心も体も満たされて、多くの喜びと感謝の時を過ごしています。今後も与えられた様々な恵みを互いに分かち合い、ひとりでも多くの人と喜びを共有し、共に歩むことの豊かさの中で過ごせることを願います。
秋の深まりと共に“めぐみ”ではいち早くクリスマスの準備に入りました。子どもたちは、神様が大切な独り子をこの世に遣わして、人々に愛を現してくださった喜びの日を心から喜び、感謝するために準備を進めています。大切なかけがえのない子どもを神様は、家畜小屋で誕生させ、飼い葉桶に寝かされました。それには、深い意味がありました。誰でもがお祝いに集える場所であり、そこで真の救い主が生まれたと信じる者のみが集える場所でした。この誕生には、当時の社会状況も影響していました。ローマの属国であったユダヤの人々がローマ皇帝の命令で生まれ故郷に帰って住民登録をしなくてはならなかったことにより、身重のマリアは、ナザレから夫ヨセフの生まれ故郷であるベツレヘムまで旅をしなくてはなりませんでした。そして、身重の夫婦が旅の途中、日も暮れてきたので宿に泊まろうとあちらこちらを探しましたが、どこも誰も泊めてくれませんでした。そのため、雨・風・寒さ・野獣等を避けるために何とか見つけた泊まる場所は、家畜小屋(馬小屋)でした。やっと泊まれたその夜、その場所でイエス様は、誕生しました。そこには、神様の思いが込められています。生まれた場所がどこであっても、どんな所に寝かされていても、そこで与えられた命は貴く愛らしく、大切なものであり、輝きを放っているのです。その命の輝きに導かれて、その場所に喜んでお祝いに訪れたのは、社会的にも宗教的にも、疎外されている存在であった羊飼いでした。そして、その後に訪ねてきたのは、星を眺めて研究を続けていた異教の博士(占星術の学者)たちでした。彼らは、星の輝きを見て、疑う事なく最高の宝物を携えて旅に出たのです。神様は、天体をも動かし、救いを求める人に良い知らせを与えてくださったのです。闇が深ければ深いほど光は、輝きを増します。闇の中で光を求める人に、神様は真の光を与えてくださるのです。博士たちの喜び、羊飼いたちの喜びは、この上もないものだったことでしょう。今のわたしたちは、あまりにも恵まれ過ぎていて、神様が与えてくださる恵みに気づけないことが多いのです。また、あまりにも偽りの光が多すぎて、とても明るく、真の光を見い出せずにいるのです。
“めぐみ”では、わたしたちが日々与えられている当たり前に思っている様々なものの中に、多くの恵みが与えられている事を知ることを大切にしています。その一つとして、皆さんの協力を得て“収穫感謝礼拝”においては、子どもたちが身近な沢山の恵みを携えて登園してきました。ありがとうございました。収穫感謝礼拝を通して、神様によって、周りの多くの人によって、わたしたち一人ひとりが元気に過ごせていること、心も体も豊かにされていることを知り、感謝の時を持ちました。同じ様に、今から迎える“クリスマス”も、すべての人の喜びとなるために準備をしていきます。どこでどんな状況の中にあったとしても、神様は見ていてくださり、その人の生活のただ中にイエス様の存在を示してくれます。羊飼いへの天使の言葉は、「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」でした。羊飼いにとってのしるしは、彼らの生活の場でした。神様の側から、困難の中にあるわたしたちに寄り添って歩んでくださるのです。その喜びが地に満ち溢れることがクリスマスの喜びとなったのです。
“めぐみ”にとってクリスマスは、心を豊かに育む大切なひと時となります。暗く冷たい心が、優しく温かい心となってクリスマスを迎えられるようにと願っています。子どもたちと迎えるクリスマスを通して、集った人々が馬小屋の飼い葉に寝かされたイエス様の誕生を心から受け入れ、その命の営みを大切にできる心となりますように祈ります。
