園だより１１月号 巻頭言
＜主 題＞一緒に
＜聖 句＞
「わたしの名によって集まるところには、
わたしもその中にいる。」
（マタイによる福音書 １８章２０節）
写真：沢山のサツマイモが採れました。
秋の訪れと共に、わたしたちの周りには神様から沢山の自然の恵みが与えられています。幼稚園舎の裏には柿の木があり、誰も世話をしていないのに、今多くの実をつけており、色づき始めています。渋柿でありつつも、甘柿となり、みんなで食べることができる不思議な柿の木です。食べた子どもたちに、どんな味だったかを聞いてみてください。
“めぐみ”では、この秋という心地良い季節に、神様の豊かな愛と恵みを感じながら過ごしています。10月の初めには小雨まじりではありましたが、多くのご家族の方々に囲まれて、恵みに満たされた心温まる運動会を行うことができ、さらにその後には、青空の下で“小さな集いの運動会”を行い、園児たちも参加して楽しむことができました。また、10月後半には、前日が台風21号の影響で休園でありつつも、めぐみの会の役員さんを中心にして、お家の皆さんのご協力を得て、“めぐみの会友愛セール”が行われ、幼稚園がお店屋さんになり沢山のお客さんを迎えて､ 子どもたちもお買い物を楽しみました。さらに年長組は次の日に“めぐみ農園”で育てて収穫をしたお米を炊いて食べました｡ 白米でなく、玄米です｡ みんなで植えて､ 育てて､ 収穫し､ その後こつこつと籾すりを続けて、炊飯器で炊き上げました｡
これは一日でできることではありません。みんなが当たり前のように毎日食べているご飯もそれだけの事を経て､ やっと食べられるのです｡ 多くの人の働きにより､ わたしたちは初めてお腹を満たすことができています。さんびか“わたしたちのたべるもの”の歌詞に“忘れちゃいけない それは 作ってくれた人のこと 土を耕し 種を蒔いて 大事に育ててくれました”とあるとおりです。子どもたちは、自ら経験することで多くの事を学びます。そして、もっと大きくなるために､ 子どもたちは幼稚園を離れて､ 各学年で遠足に出かけます。
ここで少し、終えたばかりの年長組の山登りについて記させていただきます。子どもたちは､ 先の見えぬ頂上を目指して頑張り歩きました。実は､ 年長組が登る旗振山の鉄塔が幼稚園の屋上から見え､ その近くにある須磨浦山上遊園にある回転展望閣も見えるのです。そのことを利用して、ここ数年下山を前に回転展望閣の屋上に立ち寄り、時間を決めて幼稚園と鏡での交信を続けています。その交信ができたときの喜びは､ 山登りの疲れを忘れさせてくれます｡ 離れていても喜びと感動を共有できる素晴らしさに感謝します。しかし､ そこに到達するには、旗振山頂上目指して、山登りを頑張らなくてはなりません｡ まずは、山陽電車霞ヶ丘駅まで歩くことから始まります。そして塩屋駅で下車し､ しばらく歩くと舗装された急激な坂があります。その坂を見た時、くじける子どももいます｡ でも､ そこはまだ登山口ではなく､ その坂を登り切ったところが登山口で､ 最初の休憩場所となり、そこからが本番です｡ それぞれのほんの少しの頑張りで目標の場所に到達することができます｡ そこで大切なのは､ 気持ちのもち方です｡ 気持ちで負けてしまい､ あきらめてしまえば、当たり前のことですが、登れる山も登れなくなり､ たどり着く場所に着くことができません｡ お互いに励まし合いつつ､ それぞれのペースで頂上目指して登ります。“めぐみ”の山登りは､ 速いことが良いのではありません。みんなで神様の与えてくださった自然を満喫し､ 山に登ることを楽しみます｡ 今年も子どもたちが､ 天候に支えられ､ ハプニングはありつつも事故や怪我なく、無事に山登りを終えることができたことを感謝します。
大人が、自分の願いや思いや感情を子どもに押し付けて､ 子どもの成長を阻むことがないように、子どもに与えられている力を邪魔して奪わないようにと願っています｡ 目の前にいる子どもをありのまま受け入れていく愛こそが､ 人としての基礎を築きます｡ その愛に支えられて､ 生きる喜びを知り、他との人間関係を築き、生き活きと輝いて自分らしく歩むことが大切です。“めぐみっ子”が、いつも笑顔で歩めるようにと心より祈ります｡
