園だより9月号 巻頭言
<主 題>試行錯誤
<聖 句>
 「求めなさい。そうすれば、与えられる。」
                  (マタイによる福音書7章7節)

写真:新学期、元気な声が戻ってきました。


 長い夏休みは、子どもたちにとって有意義な日々だったでしょうか。どんな風に毎日を過ごしてきたのでしょう。子どもたちからの報告がとても楽しみです。我が家では、夏に家族みんなで集まるようにしてきたのですが、残念ながら今年は、子どもたち3人の休みが合わず、一緒に集まることができませんでした。二人の娘は、みんなの休む“お盆”という時期も仕事があり、長男はお盆時期しか休みではないという事情もあり、仕方がないことではありました。一同に揃えなかったのですが、それぞれと共に時間を過ごすことができたことは、うれしいひと時となりまた。特に孫(11カ月)との5月以来の再会では、成長した姿に驚かされました。5月は、つかまり立ちをしていたのですが、今回はほんの少しではありますが歩くようになっていました。心も体も健やかに成長している孫の姿を見て、その環境を整えている息子夫婦の子育てに安心させられました。

 また、この夏も連れ合いの千香子の実家(島根)へは、娘二人の休みに合わせて、一緒に出掛けました。毎年思うことですが、自然の中でほんの一時過ごすだけで、心も体もリフレッシュすることができます。実家では、今年も草刈りの仕事を手伝い、ゆっくり、のんびりとした時間が与えられました。自然の中にいると、忙しい毎日の雑多な事柄が、本当に大切なことなのかどうかと問いたくなります。満天の星空の下で、人がちっぽけな存在であることに気づかされ、人が生きるために大切なことは、神様から与えられた環境の中で、豊かに有意義に過ごしていくことだと思わされました。

 しかし、人は今そのことを拒否し、便利で楽で快適な生活を求め続けてきて、自然の脅威の下で過ごさなくてはならなくなりました。今年も、様々な所で突然の豪雨や土砂崩れや落雷によって、災害が生じています。自分たちの都合で自然を破壊し、自然の営みを奪った人に対する自然界からの応答です。便利で快適な生活は、人から多くの物を奪います。歩くことや動くことをしなくなり、作ることや考えることをしなくなり、工夫や創造性も奪われます。コンビニに行けば、何でもそろい、車や乗り物でどこでも出掛けられ、スマホやパソコンで様々な情報を得、自分の目で見、耳で聞き、手で触り、鼻で嗅ぎ、口で味わう事なく、色んな事が分かります。人にとって大切な五感の働きは、必要なくなっています。今の子どもたちは、色々な事を経験する事なく大きくなり、挑戦することも失敗を経験することも困難に立ち向かう力も奪われていきます。初めから諦めたり、楽なことを選択し、様々な経験をすることなく大きくなります。親も周りの大人も、子どもが可哀想と思い、それで良しとしてしまい、子どもの生きる力を奪い、成長を阻み、多くの与えられている物を使わずに退化させてしまっています。今、待機児童対策として、多額の公費で幼稚園や保育園や認定こども園は、とてもきれいで立派な建物となり、設備も整っています。でも、整っていることで子どもが退化していくことを知らねばなりません。手を出せば水が出、入れば電気がつき、トイレも離れれば水が流れる。冷暖房完備の上で、さらに床暖房と快適な環境です。守られ過ぎていて、雑菌に弱く、病気になりやすい子どもが増え、体力も気力も配慮にも欠けていきます。本当に子どものことを考え、将来を考え、保育がなされ、施設が整えられているのでしょうか。今の待機児童の問題や保育士・保育者不足という状況は、異常です。誰が子どもを責任持って育てるのでしょう。子どもたちは、この世に何を与えるために命を受けて生まれてきたのでしょう。もっと真剣に子どもに心を向けて歩む世の中であって欲しいと願います。どんなに不便でも、大変でも、愛する人と共に過ごせる環境こそが大切なのです。

 わたしは、孫を見ていて色々気づかされました。何度転んでも一生懸命挑戦して歩こうとする姿は、たくましく、微笑ましいものでした。そのことが、次の一歩に繋がります。また、それを周りで手出し、口出しする事なく、見守っている親の姿を見て、子どもと向き合い、自らの時間と思いを子どもに費やして、頑張って子育てしているとうれしくなりました。子どもとのかけがえのない時間は、今しかありません。そのことを大切に歩みましょう。

 いよいよ、子どもたちとの盛りだくさんな二学期の歩みが始まります。子どもたちと共にいっぱい笑い、泣き、沢山の経験をして、豊かなひと時を過ごせるようにと祈っています。 
< 園 長 >  
六甲キャンプ(7/19-20) 六甲山自然の家に、一泊キャンプに行ってきました。
山の中を散策、キャンプファイヤーをしたり、自分たちでベットメイク、食事の片づけ等もしてきました。自然の中に「おじゃましま〜す。」
 
年長組 2学期が始まり、年長組の体育活動では1学期の活動の延長として組体操に取り組んでいます。
   
年中組 9月に入ってもまだまだ夏の遊びを楽しみます。
   
年少組 2学期始めての給食美味しかったよ。
   
  今年のめぐみ農園の稲穂。4体の案山子に守られて、すくすくと育っています。
   
著作・製作 学校法人星陵学園 星陵台めぐみ幼稚園
無断複写・転用・転記はできません。