園だより６月号 巻頭言
＜主 題＞不思議
＜聖 句＞
「これは主の御業 わたしたちの目には驚くべきこと」
（詩編１１８編２３節）
写真：田植えの準備が整いました。
新年度を迎えて、早二カ月が過ぎ、子どもたちは様々な表情を見せるようになりました｡初めての幼稚園という社会の中で、ひとつ大きくなった新しい環境の中、子どもたちは、色んな新しいことに出会い、一生懸命頑張ってきました。必死で頑張ってきたからこそ、今ひと休みしたい子どもたちもいます。慣れてきたからこそ、わがままになったり、自己主張をしたりするようになります。その姿を理解し、焦らず受け止めてほしいと思います。子どもたちは、確実に大きくなっています。父親の急逝で、一週間お休みをして、久しぶりに幼稚園に帰ってきた副園長(連れ合い千香子)が、ほんの短い間子どもたちを見なかっただけなのに、「大きくなってる」と感激して語っていました。いつも見ているとあまり感じない事が多いですが、久しぶりに会うとその成長を実感することができます。だからこそ、日々の生活の積み重ねが大切です。子どもたちと過ごせる、今というかけがえのない時間を大切に、有効に、より良く使っていきましょう｡ “めぐみ”は､ 子どもの笑顔があふれる場所となることを願いつつ､ 子どもたちと真剣に向き合い歩んでいます｡ 時に厳しく､ つらく思えることも､ 後に役立つ大切な経験です｡ 嫌なことから逃げずに取り組むことで､ 様々な見えない力が養われます｡ 一人では出来ないことも助け合うことで可能になることを集団の中で経験します｡ 周りにいる人は､ 愛し合い､ 助け合い､ 補い合い､ 励まし合うために神様から与えられています｡ そのことを知るためにも､ 色々な取り組みが必要です｡ 一人ひとりが異なる存在で力を合わせれば､ 大きな力になり､ 様々な可能性が与えられます。“めぐみ”は、異なりを大切にして､ それぞれの違いを活かしていくことに心を向けています。一人ひとりに神様から与えられている賜物は異なり､ その違いに気づき大切にすることで、豊かさが生み出されます。そのことは、わたしたちの周りを見渡した時、神様から与えられている自然環境の中でも気づかされます｡
今子どもたちは､ 礼拝で聖書の話を通して､ 神様が全てをわざわざ違う、まったく異なる存在として造ってくださったことを知らされています｡ 花の形や色､ 木や果物の種類、地に､
空に､ 水の中に生きている様々な存在等｡ さらに神様は、人間も男と女に造り､ 仕事も農耕や牧畜等､ 様々な違うものを与えられました｡ 年長の礼拝では､ “みんなのかお”という動物の色々な顔の写真が載っている本を見せながら話をしました｡ みんなもそれぞれ違う顔だけど、動物もみんな違う顔をしていることを話し、それぞれが特徴や独自性を持っていることを伝えました。同じ顔では､ 見分けもつかず､ それぞれの存在が曖昧になります｡ みんな違うからこそ､ それぞれの働きや役割が与えられるのです｡ かつて､ 教育の世界でも声高に叫ばれていたことに“みんなちがって、みんないい”という言葉があります。その大切さが分かっているのに何故、違うものを排除したり、違うものを認めようとしないのでしょうか。
“めぐみ”では、天地創造の出来事や、わたしたちの思いを越えた出来事に対して“これは主の御業 わたしたちの目には驚くべきこと”として受け止めて、その意味をしっかりと知り、与えられていることを大切に用いていくことに心を注いで歩んでいます。だからこそ、“みんなちがって、みんないい”という世界が与えられているのです。
これから経験する新しい出来事の中で、子どもたちが沢山の喜びと力を受けて大きくなってほしいと願っています。わたしたち大人(親・家族)も､ 目の前に神様から与えられているかけがえのない世界にたった一つしかない子どもの存在を受け入れ、今しかない大切な時間を用いて、豊かな世界を創り出していきましょう。2017年度の“めぐみ”の歩みも、子どもたちの笑顔に支えられ、今を迎えていることを感謝します｡
